柔道を延々と語る|徐々に追加・更新していく

柔道とは?

柔道の正式名称は日本傳講道館柔道です.
嘉納治五郎が1882年(明治15年)に講道館ならびに講道館柔道を創始したとされています.
1915年(大正4年)の柔道会設立を機に柔道を以下の通り正式に定義づけました. 

柔道の定義
「柔道は心身の力を最も有効に使用する道である」
省略して標語化したものが
「精力善用」

嘉納治五郎の遺訓(以下)の冒頭部分になります.

遺訓(目的):嘉納治五郎師範遺訓
「柔道は心身の力を最も有効に使用する道である。その修行は攻撃防禦の練習に由(よ)って身體(体)精神を鍛錬修養し、斯道(しどう)の神髄を體(体)得する事である。さ(そ)うして是(これ)に由って己を完成し、世を補益するが柔道修行の究竟(きゅうきょう)の目的である。」

心身の力も最も有効に使用する?何に?

柔道の根本にある意義は,精力の最善活用です.つまり,善を目的として,心身の力を最も有効に働かせることを意味します.ここでいう善とは何でしょうか?
ここでいう善は,団体生活または社会生活の存続発展を助けるものです.ん?どう意味でしょうか.
嘉納は,人は社会を生成し,団体生活を営んでいるため,その団体・社会を組織している人々と融和協調して機能することが大切であるとしています.それは,融和協調によって己の働きも他の働きも互いに有益な影響を与え合うためです.これにより,互いに幸福を得ることができるとしています.
つまり,団体・社会生活における人々の融和協調が団体・社会の存続発展に繋がり,さらに個々の幸福を得ることに繋がるため,これを善としています.融和協調の大原則は自他共栄に帰するということで,自他共栄を善とします.まとめると,自他共栄を目的として,心身の力を最も有効に働かせることが柔道の根本の意義です.